「一生懸命ほぐしているのに、なぜすぐ戻るの?」
リラクゼーションに従事してきたからこそ、
「ほぐしても、なぜすぐ元に戻るのか」
この疑問と、私は長年向き合ってきました。
その場では楽になる。
「軽くなった」と喜んでいただける。
それでも、しばらくすると
また同じ場所がつらくなる。
技術や努力の問題ではない。
それなのに戻る――。
その理由を探し続ける中で、
たどり着いたのが
ファシアは“膜”ではなく
“感覚器官”であるという視点でした。
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ファシアは、感じ取って神経に伝える組織
ファシアは
筋肉を包むだけの存在ではありません。
緊張
ストレス
安心感
呼吸の浅さ
疲労の蓄積
こうした状態を感じ取り、
神経へと情報を送り続けています。
だから、
身体が「まだ緊張が必要」と判断している間は、
どれだけほぐしても
元に戻るのは自然な反応なのです。
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なぜ「そっと触れる」だけで変化が起こるのか
強く押さなくても、
ただ手を添えるだけで
・呼吸が深くなる
・肩がすっと下がる
・涙が出る
・全身の力が抜ける
そんな反応が起こることがあります。
これは
ファシアにある感覚受容器を通して、
副交感神経が優位に切り替わるため。
50代以降の身体に必要なのは、
さらに頑張らせる刺激ではなく、
安心してゆるんでいいという合図です。
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もむ・流すだけのケアに違和感を感じたら
もし今、
・自分で強くもんでいる
・リンパを流すことだけを続けている
・「痛いけど効いている気がする」と我慢している
そんなケアをしているなら、
ぜひ頭の片隅に置いてください。
👉 力任せの刺激は、
ファシアにとって
「まだ緊張しなさい」という信号になることもあります。
その結果、
楽 → 戻る → またほぐす
というループが続いてしまいます。
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ファシアを意識すると、ケアは「自分のもの」になる
ファシアを意識したケアは、
誰かに任せきりにするものではありません。
・呼吸を感じる
・触れたときの反応を観察する
・今日はどこが嫌がっているかに気づく
こうした小さな気づきが、
自分で身体をケアできる感覚を育てます。
そして不思議なことに、
身体の変化が
「義務」ではなく
ちょっと楽しいものに変わっていきます。
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まとめ
・リラクゼーションに従事してきたからこそ
「なぜ戻るのか」という疑問が生まれた
・ファシアは神経とつながる感覚器官
・慢性の肩こり・腰痛には
力よりも「触れ方」が影響する
・ファシアを意識すると
自分でケアでき、身体との対話が楽しくなる
あなたの身体は、
もう十分がんばってきました。
これからは
「治すために戦う」ケアから
「感じながら育てる」ケアへ。
そんな切り替えが、
50代からの身体を
ぐっと楽にしてくれるでしょう。